「星の王子さま」
誰もが知っている有名な物語。
でも、この物語を私は読んだことがありませんでした。
私が生まれた時から自宅の本棚に、この本はありました。
「サン テグジュペリ」の星の王子さま。私は少しづつ子どもから大人になる度にこの本のページをペラペラとめくっては絵を眺め、
星の王子さまの可愛い挿絵と
兄が子どもの頃に描いたであろう落書きを眺めるのみでした。
ボロボロになった、古ぼけた本の表紙。
上製本で仕上げた丁寧な作り。
ところどころ、破れたページは、セロテープが貼られてます。
「こうじ」とクレヨンで文字が、ランダムに書かれています。
私の兄の名前です。ひらがなの字を覚えたてだったのでしょうか?
よく見ると、字が逆さまです。
昭和三十七年十一月二十七日第一刷発行
訳者 内藤濯(ないとう あろう)と記されてあります。
岩波書店の発行です。
なぜか、私は、この本を読むことができないでいました。ある日、ふと立ち寄った書店で可愛いデザインの「星の王子さま」の本を見つけました。素敵な装丁だったので遂に・・・やっと読む気になったのです。長い道のりでした。
訳に河野万里子さんの名前が記されてます。しかも、ミニうちわのおまけ付きです。可愛い!
発行は新潮社です。
あっという間に読めました。
長年のモヤモヤがスッキリしました。
中はこんな感じです。 そして、本屋でまた別の
「星の王子さま」を見つけました。
読んだばかりなのに
また買いました。
そしたら、またおまけが・・・。
4種類の中から選べました。
猫好きなんで嬉しいです。
「よまにゃブックバンド」だって!
発行は集英社で
こちらは、文字が横並びです。
本に親しみやすく
対応されているのでしょうか?
出版社も頑張ってるな!と思いました。
そして、前から気になっていた
「珈琲と文化」という専門誌。
この中に星の王子さま関係の記事が
連載されてます。
この本は京都の直焙煎珈琲の壺中珈琲店さんが、時々、珈琲と一緒に
送って下さるのですが、
この冊子の中には
「星の王子さまの暗号」と題して、
この物語の研究をされている方の記事が掲載されています。
星の王子さまとキリスト教の聖書の 内容にスポットを当てた記事です。
椚山義次(くぬぎやま)さんという、
ヘブライ文学研究所の代表の方の、
非常にマニアックな記事なのですが、
なぜか、心にひっかかるものがあり、
合わせて、その暗号とやらを
文章を読み探究してみました。
いなほ書房の珈琲業界の専門誌です。
先日買った青い表紙の集英社の本は
池澤夏樹さんという方が
翻訳されてます。
この方の訳の本の最後のあとがきには
キリスト教的な要素が物語の中にところどころに表現されていると、
自ら語られていました。
物語の元はフランス語なので、
私達は翻訳された後の日本語を
読んでいます。
それぞれの出版社で翻訳される方の
感性により、ちょっとずつ
捉え方が変わるもんだなぁと
思ったのです。
あと、本のタイトルですが
フランス語のタイトルを直訳すると
「小さい王子さま」なのですが
それではしっくりこないため、
岩波書店の訳者の内藤濯さんは
「星の王子さま」とタイトルに付けられたそうです。
実際に「小さい王子さま」で
出版されている本もあるようです。
調べていたら色んなことを
知ることができ
「サン テグジュペリ」の存在に
興味を持ったのです。
物語りには
赤い薔薇の花がでてきます。
物語にどっぷりはまりながら
自宅の薔薇の花に
水やりをしていたら、なんとなく
王子さまの気持ちに
近づいたような気がしたのです。
最近見た夜空です。 月の側に金星でしょうか?
微妙な距離が
織姫と彦星のようにも見えます。
星の王子さまは、どんな気持ちで
この星空を眺めていたのでしょうか?
この物語に出てくる言葉、
「肝心なことは目では見えない」
フランス文学の美しい物語に
一歩踏み入れたような気がしました。
人間、たまには読書も
必要なのでしょう。